私なりの思考の整理

思考は、論理的思考(演繹的推論)と仮説形成思考(アブダクション)に分けることができる。(帰納的推論は置いておく。)原因から結果を導くのは論理的思考であり、結果から原因を思いつくのは仮説形成思考である。手段がどのような目的を果たすのかを考えるのは論理的思考であり、目的を果たす手段を思いつくのは仮説形成思考だ。仮説形成思考は論理的思考の逆写像のようだ。

論理的思考はすべて意識下で行われ、そのプロセスを言語化し、詳しく説明することができる。一方、仮説形成思考は無意識下の認知活動であり、思考の過程を言語化することは難しい。「思いつく」という言葉で表され、どのように思いついたのかは説明できない。

様々な思考は論理的思考と仮説形成思考に分類され、同じカテゴリーに分類される思考の間には類似性が認められる。「頭の使い方が似ている」と表現される。

論理的思考        仮説形成思考
原因から結果を導く    結果から原因を思いつく
手段がどのような目的を  目的を果たす手段を思いつく
 果たすのかを考える
仮説により現象を予測・  現象を説明する仮説を思いつく
 再現・説明する
抽象から具体を示す    具体に対する抽象を思いつく

ただし注意が必要だ。仮説形成思考は論理的思考を組み合わせて行われる。思いついたら、思いつきが妥当かどうか無意識にチェックしている。思いつきの妥当性検証は論理的思考だ。

・このように思考を整理することにはどんなメリットがあるのだろうか?
・論理的思考と仮説形成思考は「頭の使い方が違う」と経験的に分かっているが、脳科学の知見からはどのような説明ができるのだろうか?
・「問い」は思考を促す刺激であるが、「問い」と思考の分類とはどのような関係があるのか?
このような疑問に関しては別の機会に語りたい。