未来の予兆:豚の心臓を人体に移植

毎年、i.schoolのワークショップで日本総研の粟田チームに未来洞察ワークショップを提供して頂いています。素晴らしいワークショップで、スキャニング・マテリアルという未来の予兆と思われる情報から想定外社会変化仮説を設定するというのが、肝となる部分です。

確か2010年のワークショップで「遺伝子操作で豚が光った」というスキャニング・マテリアルを読み、これは「メリットが大きければ人々は遺伝子操作を受け入れる」という社会変化を示唆していると思いました。遺伝子組換え食品に対して人々は不安に思い、強い拒否反応を示しています。しかし遺伝子操作で若返る、美しくなるなど、「大きなメリット」が得られるのなら、人々の態度は一変する、という可能性を示唆していると考えました。

先日の日経新聞の記事で、拒絶反応を起こさないよう遺伝子操作された豚の心臓が人体に移植されたことを知り、遺伝子操作から得られる「大きなメリット」とはこれだったのかと思いました。

未来の予兆を捉えることができれば、社会で実際に起こる事象や動きを10年は先取りできることを実証した一例ではないでしょうか。

i.schoolでは未来の予兆を捉えることのできる人材を育てていきたいと思います。