スペイン訪問記:LaLiga Lab. スポーツのイノベーション

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スペインのフットボールリーグの LaLiga Lab を訪問し、熱烈歓待を受けました。 スペインフットボールリーグの JAVIER TEBAS MEDRANO会長の歓迎スピーチに始まり、i.schoolの紹介、Nacho こと Ignacio M. Trujillo氏(Director of Strategic Projects at Laliga and founder of LaLiga Lab) から LaLiga Lab の紹介があり、その後の活発なディスカッションで、LaLiga Lab が目指していることや、そのイノベーションの源泉を学ぶことができました。 サンティア・ゴベルナベウ・スタジアムに移動し、レアルマドリードの博物館やスタジアムツアーの後、スタジアムを望むレストランで昼食のご招待に与りました。参加者は LaLiga の公式ボールをプレゼントされ大満足でした。

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Lab といっても、研究所というよりは、フットボールリーグの戦略的プロジェクトを実施している部隊というのが当たっていると思いました。主なプロジェクトしては、1)サッカーファンに感動を与え、ファンを増やすためのデータやアプリの開発、2)テレビ放映権に対するデジタル放映権の確立、3)スタジアムの安全管理システムの開発と実装などです。3)ですが、何年か前にスタジアムに爆弾を仕掛けたという電話があり、安全管理を担当している警察の判断で、8万人の観客を避難させたところ、8分で全員を避難させることができたのだそうです。安全管理システムは日本の会社が納入しているとのこと、心強く感じました。LaLigaでは、各スタジアム毎に安全管理システムを設置するのではなく、フットボールリーグが全てのスタジアムの安全管理システムに責任を負っているのだそうです。

1)は最も面白い部分です。「スポーツはパッションだ」とパッションみなぎる Ignacio M. Trujillo氏 は繰り返し強調していました。リアルタイムに伝わるスポーツの感動は、確かに大切な部分で、どうしたらより大きな感動を与えられるか、どうしたらオンラインでその感動を伝えられるかなど、深掘りするべきポイントだと思います。LaLiga のスマホ・アプリは良く出来ていると思います。私もその場でインストールして試してみました。

一方、新たなスポーツの楽しみ方を提供するのも重要だと思います。LaLiga では、スタジアムに複数箇所にカメラを設置し、動画の解析から選手の位置を特定しており、そのデータから各選手の移動距離や平均速度などを提示しているとのことでした。1ヵ所には3台のカメラが設置されているようです。FIFAが選手にデジタルデバイスを持たせることを禁じているためにこのようにしているそうです。このデータを使って、新しい解析結果を提示すれば、今までには楽しむことができなかった新しいエンターテイメントを提供することができるのではないでしょうか。そうなれば、そのようなデータ自身に価値が生まれ、ビジネスのチャンスにつながるのではないかと思います。

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LaLiga Lab は非常にイノベーティブな組織であり、次々とイノベーションを生みだしているように見うけられました。どうしてこのようなことが可能となったのか。それが知りたくて、LaLiga Lab でのディスカッションではかなり突っ込んだ質問を連発させて頂きました。まだ仮説に過ぎないのですが、何となく分かってきたような気がします。LaLiga Lab のイノベーションの源泉に関する私の理解を次の投稿でご紹介しましょう。

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